排他式


トップページに戻る

Psion Series 5

Psion Series 5Psion Series 5

機種紹介

 Psion Series 5は、V30系CPUを搭載していたPsion Series 3のARM系32Bit版といった位置付けで、Psionらしさを残す比較的最後の方のマシンでした。
 Pionの歴史的な事は後にして、どんな機種なのか簡単に説明します。

 最大の特徴はオリジナルOSであるEPOCを搭載している点で、一応はマルチタスクとなっていますが、どちらかと言えばスイッチングタスクに近く、シングルタスクの切り替えで複数の作業を同時に進める感じです。
 処理は軽快でWindowsCE機よりサクサク動く為、作業にストレスを感じさせません。
 また、プログラム言語OPLを搭載している為、WindowsCE機では出来ない端末のみでプログラムを作成して実行する事が可能です。
 その他にも色々な言語をインストールすれば、Pion Series 5で開発出来ます。

 スタイラスを搭載し、画面をタッチする入力形態を採用していますが、ショートカットキーを駆使してのキーボードオペレートもサポートされているので、慣れればスタイラスを抜く事無く、通常の作業を進める事が出来ます。
 画面のタッチも指の腹で簡単に出来る感度なので、絵を描かない限りは抜く必要がありません。

 また、キーの数を減らす事でクラス最大サイズを実現している点は、高く評価出来ます。
 チャンドラ2と比較してキーサイズが同等でストロークはPsion Series 5が勝っているから驚きです。
 オペレートにFnキーを多用させる事をユーザーに強いますが、通常のアルファベット入力には問題ないので、差し引きでメリットの方が高いと思います。

 このSeries 5までは乾電池駆動で、未開の地を除いては世界中何処でもバッテリの入手に苦労しません。
 画面は賛否両論があるモノクロ液晶を採用しています。
 私は端末での作業にカラーは必要が無いと考えている為、これでいいと思っています。
 カラーにした場合、どうしても電池寿命が短くなりますので、携帯する機器としては正しい選択と思います。
 それはモノクロ液晶を搭載している、NECのMobileGearに代表されるモバイルの人気が高い事からも理解出来ます。

Psion Series 5mxPsion Series 5mx

 一部では熱狂的な愛好者の居るマシンですが、彼らの言う程すばらしいものでは無く、多くの欠点もあります。
 ファンは自分のお気に入りの機種を酷評する事は稀ですから、敢てここで酷評します。

 写真では格好良く見えますが、実際は意外とチーブで安っぽい造りをしています。
 特に蓋を閉めた場合、カンペンケースの様なオモチャ感を与えます。
 閉じた状態と開いた際の姿勢なら、Psion Revoの方がスタイリッシュでした。
 エンブレムの素材もPERSONAと比較してかなり薄いので、簡単に凹んでしまいます。
 道具と割り切っての使用なら全く問題ないのですが、モバイルにファッション性を求める方は購入対象から外す方が失望せずに済むでしょう。
 (私は道具としてのツボを抑えてくれてさえいれば、それで良いと思うのでスタイルは問題にしていません)

 販売価格はスペック面のみで評価した場合と先のチーブさから、当時販売されていた他の機種と比較して割高感があります。

 スライドして出てくるキーボードも、何故そんな構造を採用したのか理解に苦しみます。
 「スライドする事によってキーボードが広い」等、語る方も居るのですが、スライドで面積が増える事はあり得ません。
 面積が増える魔法のモバイルは、ThinkPad701やポメラの様に物理的に増える構造をしている機種だけです。
 Series 5の場合、端にヒンジがある場合と面積的には変わらず、むしろ開け辛さと手前側の裏が無い事によるタイプ時の不安定さと強度不足によるしなりが発生するデメリットの方が大きく、デザイン狙いの構造といえます。

 また、作業終了後キーボードを収納する際、急いで閉めるとスペースバー下にある突起が台座の切り欠きに収まらない場合があります。
 この切り欠きの奥にはマイクロスイッチがあって、蓋が閉まったかどうかを検知しているので、正しく収めないと設定によっては電源が切れない事があります。
 (蓋を閉じるとパワーオフにしている場合)

 タイピング時スライドするキーボードが動かない様にする為に、背面側からある程度のテンションが掛かる設計になっていますが、これも破損しやすく注意が必要です。
 このテンションをかけるバネの台座は何とプラスチック製!強度が無いので、テンションの掛け方次第で簡単に破損してしまいます。
 軽量化の為でしょうが、フレームはマグネシウム合金の様な金属にして欲しい所です。
 して欲しいですと言った所で、とっくに生産終了モデルなのでどうしようもありません(笑)
 フレームを金属化して、ボディをポリカーボネイト製にして!
 かくなる上は、受けの部分を真鋳パイプか何かに変更して、しっかりと本体に接着する等で対応しますかぁって所です。
 しかし日常の道具として使用するには本当にモロい、モロ過ぎる。

 液晶画面もスライドしながら起き上がるので、配線を繋ぐフレキとフレキを基盤に半田付けしている個所に負荷がかかり、トラブルが発生した事例も多く、スライド機構は完全な失敗と考えています。
 強化フレキでもイッちゃいました。
 この機構を削って、強度とチーブさを補ってくれていればかなり使える機械になれたと思います。
 (使うのとチーブさは無関係ですね)

 因みに分解してみるとテンションを掛けるバネを取って、スライドを中間で止める改造を行うと安定する様に感じました。
 受けを作り直すかバネを取って構造を変更するか、いずれにせよ大幅な手直しが必要です。

 キータッチはファンですら酷評するタッチ感の無さで、サイズの関係で簡易構造を採る事は仕方が無かったのかもしれません。
 チューニングも不可能ではないのですが、キーの強度不足によるデメリットを考えると、携帯するパソコンという観点からそのまま使う方が良いと考えています。
 因みにキータッチはSeries 5mxの方がSeries 5より硬く、押した際にキーボードの底面へ力がかかり非常に不快感を与えます。
 ここをSeries 5のものと換装すれば、非常に使い勝手が良くなります。
 が、キーボードを丸ごと交換すると、Series 5特有のキーを斜めに押した時のひっかかり感が出ます。
 私は意図しない限り斜めに押せない体質な様です。
 意識して斜めに押さない限りそういう事は起こりません。

 軽快ですばらしいOSを搭載している反面、母艦(メインパソコン)との連携面で不利になっています。

 さて、ここまで読まれた方、誤解しないで下さい。
 私は、クールにこの機種を評価しているに過ぎないのです。
 見た目だけでPion Series 5を手にされないで欲しいだけす。
 便利なこの時代に排他された機種をわざわざ使用し、日頃より自分の足にいすゞ117クーペを使う様な私が、Pion Series 5を好まぬ理由なんてあるのでしょうか?

【文章:銀牙】(2009年5月17日追記)


PERSONAとの比較PERSONAが巨大に見える・・・

Psionとは

 Psionは、産業用端末を手掛けたり、電子手帳の様なパームトップを手掛けたりしているイギリスのIT企業です。
 現在でも一部の携帯電話で使用されているSymbian OSもPsionが開発しています。

 産業用端末においては、日本でDynaBookが発売された頃より遙か以前の1984年より販売していた由緒あるメーカーです。
 産業用端末というのは、倉庫等でバーコードを読み込ませてパソコンに転送して処理を行う機械で、私の職場でも日常的に使用しています。
 そんな技術をベースにパソコン業界へと進出し、一時期ではありますがIBM互換機を作っていた事もありました。

 しかし、Psionの得意とするのは、やはり端末ですから、やがて電子手帳の様に気軽に使えるツールへと変貌していったのは、むしろ自然な事でした。
 (産業用端末も継続開発しています)
 業務用端末や電子手帳の様な小型マシンの為に、軽量なOSを生み出して独自の進化を遂げます。
 日本で注目を集め始めたのは、電子手帳が流行していた頃です。
 次第にPsion Series 3を活用しようとする人達が現れました。
 もちろん、最初期のユーザーは英国で手にして、その性能に気が付いて使用し始めた事と思います。
 しかし、実際の普及に貢献したのは、風変わりな物を好む人だと思います。

 何故なら、専用OSなので当然英語圏での使用しか考慮されておらず、日本での利用は非常に困難な為です。
 その難易度の高さから、パソコン雑誌やパソコン通信で取り上げられ、自分で自分の環境を構築するというマニアックな試みに魅了される者が続出しました。
 入手ルートも個人輸入に頼るのみで希少性があった事がより拍車を掛けたのだと思います。

Series 5 2種Psion Series 5

 その頃のPsion機は、高度な電子手帳+ポケコンといった感じで、当時のSHARP Zaurus、Apple Newtonの様な感じでした。
 もちろん、PC/AT互換機へのリンクにより、後のWindowsCEの様に運用する事も可能です。
 中でもPsion Sienaは、超小型モバイルでありながらもフルキーボードとテンキーを実装していた魅力ある機種でした。

 オリジナルOSのEPOCが、ユーザーによるプログラムも可能であった事、多機能よりも軽快さを重視していた事から作業用ツールとして非常に有効で、それに気が付いたユーザーが積極的に輸入し始め、やがてEnfour Group等の輸入代理店が現れまます。

Libretto 100との比較Libretto 100ですら巨大に見える

 しかし、次第にMicroSoftの勢力に飲まれ、オリジナルOS故Windowsとの連携性において、どうしても不利な状況(アプリケーションが異なる為連携が取り辛い)となり、ハンドヘルドのカテゴリがWindowsCEに移行、オリジナルOSは携帯電話と産業用端末に活路を見出し、やがてはハンドヘルドから撤退していきました。

 必ずしも良いものが生き残らないのがパソコン業界、仕方が無いのかもしれませんが残念な事です。

【文章:銀牙】(2009年5月10日追記)


Psion Series 5mxパンフレットPsion Series 5mxパンフレット

Psion Series 5mx

1999年ヨーロッパ発売/2001年9月国内発売/Series 5は1997年発売

CPU ARM710T(36.864MHz)
ROMBASIC -
RAM 16MB(CFによる拡張可能)
VIDEO -
表示 640x240(モノクロ16階調)
音源 内蔵
FDD -
HDD 内蔵メモリと共用
定価 79,800円(オープンプライス)

トップページに戻る


Copylight HAITASHIKI back to 1997.