排他式


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FP-200

FP-200FP-200(当時の写真より)

機種紹介

 1983年7月発売。
 (一部では1982年とか1984年11月とか1893年5月等々カルト的に情報が飛び交う程売れなかったのか?)

 当時私は既にFM-7と言う、8bit時代を代表する名機を所持していましたが、依然として友人の持つHC-20への憧れは強く1984年頃にアルバイトをして購入しました。
 型落ちとは言えHC-20の人気は強かったのか、販売価格が一向に下がる気配も無く、このFP-200が現品処分価格39,800円だった事で飛びつきました。
 サイズはHC-20と同じくA4で厚みも似た様な構成、マシン語こそサポートされていませんでしたが、処理速度では圧倒的にHC-20より勝っており、こいつならHC-20に対抗できると喜んだものでした。

 このFP-200は、ディスプレイでHC-20より縦方向が倍の8行表示を実現しています。
 横方向は同じ20文字(現在で言う半角文字サイズ)でしたが、キャラクタを構成するドットがHC-20より多い為、グラフィックの解像度はHC-20の120x32ドットに対して、160x64ドットになっています。
 (FP-200のキャラクタが大きい訳では無く、HC-20の方が一般的なキャラクタドット構成を満たしていなかった)

 先にマシン語がサポートされていなかったと記載しましたが、その代わりにCETL(セトル)というCASIOが開発した簡易言語が搭載され、データ処理を簡単かつ効率的に行う事が可能で、このあたりが計算機に拘るCASIOらしさだと思います。
 また、CETLとBASICとをリンクする事も可能でした。
 CETLの能力を発揮するのは、倉庫での在庫管理や事務所での集計やデータベース等、ビジネスの最前線でした。

 つまりゲームプログラミングには全く使えなかった為、本来パソコンはそういったビジネスシーンで利用されるべきなのに、ゲーム作成&プレイ目的が主だった当時のマイコン少年少女からは見向きもされず、先の様に投売り状態になってしまったのでした。
 私も不純にも「CETLなんてクソの役にも立たねぇ!何でマシン語を搭載しないんだよ!」と、今思えば非常にCASIOさんに申し訳無い酷評をしたものです。
 そして、泣く泣くBASICでゲームプログラミングを行ったものでした。
 それでも強引にBASICでキャラクタグラフィックによる逆スクロールを決行、ゼビウスっぽいものを作成出来たのですから、冷静に考えれば凄い機種だったのです。
 しかし、搭載メモリが8KBしかなかった為、全2面の構成で最終面(2面目だが)のアンドアジェネシスを撃破したら1面に戻る永久ループでした(笑)
 コツさえ掴めばゲームオーバーにならず、一瞬で飽きる超傑作の優秀作品です(997万点も可能)
 HC-20ならカセットレコーダー内蔵&制御出来るから、面ごとにDATAをロード出来たのに、と、私のHC-20に対する欲望を更に煽る結果となり、出先でのハンドヘルドを必要としていた友人と交渉し、PC-6001mkUとトレード成立となってしまいました。
 (カセットレコーダーって、面ごとに数分待たせるつもりか?<自分)

 そう言えば、グラフィックが殆ど使えなかったと記憶しているのですが、どうなんでしょうか?
 それで泣く泣くキャラグラで作った様な・・・
 コマンドが特殊だったのか記憶がイマイチ定かではありません。
 少なくともLINEやPSET等はありませんでした。
 (関数命令は流石に多かった)

 さて、ゲーマーでは無い現在の視点から当時の資料をベースにFP-200を見てみましょう。

 まず、CPUから。
 MSM80C85AGSを3MHzで駆動していました。
 (ただし、4MHzや6MHz異説もある)
 かの有名なNECのハンドヘルド、PC-8201(OEMは京セラ)と同じ頭脳という事になります。
 一部では8085と言われていますが、CMOSタイプなので正式には80C85(沖電気製)です。
 PC-8201が2.4576MHz駆動でしたから、少し速い事になります。
 (そういえばPC-8201には赤色カラーがありましたが不思議と3倍のクロックではありませんでした)
 PC-8201よりCPUが高速という事は処理が速いのかといえば、実はそうではありません。
 (これについては後に記載致します)

 しかし、FP-200は解像度がPC-8201の半分ですので、制御しなければならないDATAも半分と言う事です。
 つまり、理論上画面制御においてはPC-8201より速くなります。
 PC-8201実機を所持した事が無いのであくまで想像上と付け加えておきます。

 PC-8201とCPUが同じですから比較対照に丁度よい為、今度は電源を見てみましょう。
 どちらの機種も単三乾電池4本で駆動します。
 アルカリ乾電池使用として連続駆動時間がPC-8201の18時間に対してFP-200が11時間。
 この辺りがCPUの周波数に影響されているのではないでしょうか。
 後は回路の関係なので詳細理由までは不明です。

 回路の話が出ましたので、RAMを比較するとPC-8201は16KB(最大64KB)で、FP-200の8KB(最大32KB)とPC-8201は倍あります。
 この辺はどの規模で活用するのかがポイントになります。

 サイズはわずかにFP-200の方が大きいのですが、厚みでは薄くなっています。

 その他気になった点として、FP-200のカーソル位置。
 これは、SANYOのPHC-25の様にファンクションキー横に並んでいる為、非常に使いづらかったですね。
 PC-8201のカーソルは使いやすい位置にありました。

 後は、PC-8201はNECなだけに豊富なオプションが用意されていましたので、使用目的に応じた運用方法が可能だったと思います。

 それでもFP-200もこんな感じに増設出来たみたいですね。
 う〜ん、電池駆動、A4サイズ・・・トレードするんじゃなかったなぁ。
 PC-6001mkU殆ど使わなかったから。
 で、何故かPC-6001を買った私。

 【文章:銀牙】(2009年5月16日)


CASIOのパソコンとは?

 今でこそCASIOはパソコン業界から撤退(※デスクトップ機)していますが、70年代後半から80年代にかけては、ビジネス用パソコンをリリースしたり、8bitパソコン戦国時代にはFX-9000PやFP-1000、FP-1100、FP-1200というデスクトップをリリースしました。
 (他にもMSXやFP-3000、FP-6000という16bitパソコンも展開していた)
 CASIOは皆さんもご存知の通り電卓やデジタル時計が有名で、これは現在でも関数電卓やG-Shock等、優れた商品をリリースしています。
 当時も電卓市場に価格破壊をもたらし、一般家庭に電卓を普及させたカシオミニや、伝説のアイドル山口百恵を起用した「デジタルはカシオ」のCMでデジタル時計を普及させると言う国民に最も優しい電子機器メーカーでした。
 (山口百恵さんは引退後に拝見しましたがお綺麗でした)

 しかし、ことごとく価格破壊をもたらす商品展開から「安物」のマイナスイメージを国民に与え、高度な電子機器と信仰されていたパソコンのジャンルで、性能面で劣っているのではないか?と誤った認識で見られました。
 製造において安く仕上げるには高い技術を必要とする事を忘れてはなりません。
 先に挙げたFP-1200等も低価格でリリースされた為、性能では何ら劣っていなかったのに、販売面で伸びる事無くシリーズ化に至りませんでした。
 FP-1200のキーをタイプした時の「ピ!」って音は、まるでSF映画で描かれる未来のパソコンのイメージ(当時)そのものでしたが、ブラインドタッチすると激しい騒音で賛否両論がありました(笑)
 アドベンチャーゲームなんかだとコマンド入力時にピピピピって格好いい!のか?
 (友人がFP-1200ユーザーだったので、私の体験による評価です)

 また、ROMBASICを搭載していましたがRAMエリアにROMを転送する為、そこをいじくる事で応用が出来ました。
 このマニアにとってオイシイ機能も普及率の低さから応用する人が居ませんでした。
 CP/Mも動いたんですけどねぇ。

 CASIO製パソコンの特徴として電子計算機で蓄積されたノウハウが挙げられます。
 現在でも強力な関数電卓をリリースしている様に、計算にかけての拘りがあちらこちらに色濃く現れています。
 反面、妥協の無い計算処理を当時のスペックで実装した事もあったのか、処理速度が他の競合機種より遅く、8bitパソコンユーザーの多くがゲーム目的で購入されていた時代に足かせとなり、本当は高性能なのに「安物だからやっぱり遅い」と思われてしまいました。
 これが現在の様に多くの情報が流通する時代なら、評価は全く変わっていた事でしょう。
 しかし、限られたメディアに情報を頼っていた当時では、うわさだけが先に流布されてしまいました。

 ちょっと特殊だったのはデスクトップパソコンのテンキーにある「ENTER」キーで、これは通常の「RETURN」キーと区別されます。
 電卓の「=」と同じ扱いで、ダイレクトに計算式だけを打ち込んで「ENTER」キーを押すと計算結果を表示してくれた事から、巨大な関数電卓として利用出来ます。
 ・・・って、利用するのか?
 いずれにせよ、私は友人宅でその機能にカルチャーショックを受けました。

 あ、そうだ!CASIOの根底には「とかくこの世は計算さ」と「答えイッパツ!」のキャッチコピーが脈々とあるのですよ。
 そうに決まってる。
 プログラムなんて組まなくても、計算出来て「ENTER」キーで答えイッパツ!
 CETLで処理もイッパツ!
 リリースする機種もイッパツ屋!
 CETL搭載もイッパツ屋!

 アカンやん!(涙)

 ああ、CASIOの美学だ。
 って言うか、今でもプログラム電卓って特殊な言語で困るから、そろそろ考え方を変えて下さい(笑)

【文章:銀牙】(2009年5月19日)


FP-200

1983年7月発売

CPU MSM80C85AGS(3MHz)
ROMBASIC あり
RAM 8KB(最大32KB)
VIDEO -
表示 160x64(LCD2色)
音源 単音
FDD なし(外部オプション)
HDD なし
定価 69,800円

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