DK-E800
パソコンのレビューであるここで電子手帳を取り上げる事には、少し抵抗があります。
しかし、自分の小型モバイルの経緯を語ると、どうしてもDK-E800を避けて通れないのです。
さて、このDK-E800とは、どんな機体なのでしょう?
本体各所には「SUPER MEMORY-COMPUTER」と表記されています。
電子手帳の役割の多くは何かを登録する事にあります。
と、言う事はメモリの搭載量も売りになりました。
DK-E800には128KBものメモリが積まれています。
大した事じゃ無いかと思われるでしょうが、電子手帳サイズのモバイルでは大容量です。
SHRAPのポケコンですら、32KB(これは8bitのメモリアドレスの管理にも問題があるのだが)しかありません。
それより小型な電子手帳で128KBは大容量なのです。
実際にはシステムのワークエリアで20KB超程占有しますが、残りがユーザーのデータエリアとなり、かなりの件数のデータを登録可能でした。
では、どの辺りが「SUPER MEMORY-COMPUTER」なのかを今から証明してみましょう。
まず今回レビューするにあたり、12年ぶり(笑)に電池を交換してみます。
裏蓋を開いた所
電池交換を行うには、裏側のビスを3本、1番プラスドライバを用いて抜かなければなりません。
そして裏蓋を外すと稼動用電池とバックアップ用電池にアクセス出来ます。
稼動用にはアルカリ単四電池、バックアップにはリチウム電池のCR2032を用います。
え?単四だったっけ?しまった!単三と思ってた!
(ここでコンビニに走りました)
さて、電池の用意が整いました(笑)
電池交換時には、中央の赤い▽表示の位置をそれぞれ交換する電池に合わせると、電池を固定しているビスが現れます。
そのビスを外してからやっと交換する事が出来ます。
スライドさせるのは、同時にメインとバックアップの電池を外させない為です。
ちょっと手間がかかりますが、連続稼動時間が150時間もある為、交換サイクルが異様なまでに長い事から面倒とは思いません。
裏側に説明文を印刷した白いシートがあります、その上部U字型の切り欠きにリセットスイッチがあり、これを押す事で内部メモリを初期化出来ます。
12年ぶりという事で両方の電池を交換しました。
電源を入れると、あまりにも長期に渡り電池交換を行わなかったからでしょう、メモリが部分的に飛んだ様でメモリ異常のエラーが出て、何も出来ません。
そこで先程のリセットスイッチで初期化しました。
無事に起動しました。
10年以上の歳月経過と、両方の電池を同時に交換したので、メモリ上の登録件数等はゼロです。
ここでおもむろに「機能」キーを押します。
「機能」キーを押すごとにメニューが切り替わっていきます。
やがてバックアップに関するメニューが出てきました。
「手動バックアップ」と「自動バックアップ」がありますので、「手動バックアップ」を選択します。
「保存」「呼出」「日付確認 - 手動バックアップ」とメニューが表示されました。
「日付確認 - 手動バックアップ」と出ていますので、どうやら過去に手動でバックアップを取った様です。
そうなんです。
電池が消耗し本体のメモリが壊れても記憶しているのですよ。
「日付確認 - 手動バックアップ」を選択してみます。
「保存した日時 1999年 8月15日(日) AM 3:00」
どうやら10年前に保存していた様ですね。
「解除」ボタンを押してひとつ前のメニューに戻ります。
そして「呼出」を選択します。
「バックアップメモリーのデータを呼び出していいですか? 実行または解除」
当然「実行」ボタンを押します。
見事10年前のデータが復元されました!
って、こんなに入力してたのか?!
「SUPER MEMORY-COMPUTER」っぷりを発揮してくれました。
タネ証しは単純です。
本体のメモリと同サイズ128KBのFLASHメモリを内部に搭載しているのです。
なぁんだと思われるかもしれませんが、90年代前半にFLASHメモリを搭載していた事は凄いんです。
それじゃバックアップじゃなく、最初からFLASHメモリにデータを置けばいいだけですって?
いえいえ、FLASHメモリの書き換え回数には上限がありますし、当時は今程書き込み時間が速くないですから、動作が緩慢になります。
適度にまとめて書き込む方法が最適だったのです。
また、バックアップは、設定により毎日指定した時間でバックアップするのか、手動操作でバックアップするのか選択出来ます。
でも10年前のデータが平然と残っているなんて「SUPER MEMORY-COMPUTER」を名乗ってもいいんじゃないですか?
電池交換を忘れても被害は最小限で済みますね。
これと同じ機能は後のWindowsCE機にCFを内蔵してバックアップを取るという形へと引き継がれていきます。
WindowsCEの開発はMicrosoftとCASIOだった事を知っていますか?
(ただし、CFへのバックアップは後のバージョンでサポート)
このデータ保持能力こそ日頃携帯するモバイルに必要な機能だと思われませんか?
単四電池は発売されて15年以上経つ今でも入手可能な電源です。
こういった所を今こそ各社は見習って欲しいのです。
キー部分
さて、今度はキーについて見ていきましょう。
メインの部分が楕円形で、材質はプラスチックで裏側のドーム状ゴムで保持され、その中に接点があるタイプです。
一方、テンキーは丸型をしており、何故か材質はゴムです。
その他のキーはメインと同じです。
起動させずに押してみると使いづらそうに感じますが、電源を入れればCASIOでおなじみの「ピッ」と軽快なクリック音が鳴りますので、意外にテンポ良く入力可能です。
もちろん、クリック音のONとOFFは「機能」から選択出来ます。
でも、「ピッ」と鳴る方が思いの外普通に文章をタイプ出来ますよ。
流石にこのサイズではFP-1200程連打出来ませんから、騒音に悩まされる必要はありませんし、電池も長時間持つのでクリック音はあった方が良いと思います。
写真のキーボードはASCII配列タイプで、キーの左上にオレンジ色で50音が並んでいます。
この50音順に並んでいる所が非常に気に入りませんが、このモデルはローマ字入力での使用も可能です。
と、言うよりこれはローマ字入力仕様で、50音がキートップに刻印されているかな入力仕様もありました。
パソコンの普及率が低い時代はABC順や50音順のワープロがあったり(むしろワープロでは多かった)、電子手帳も50音順だったり、アルファベット順のキーが多くて、非常に購入意欲を奪ってくれていました。
まぁ、機械がユーザーに合わせるのが普通で、ユーザーが機械に合わせるのがタイプライタで生まれた配列ですから、どちらが正論かと言えば難しい所なんですけどね。
これを語りだすと何故この並びになったのかを説明しなければなりませんので、ここで止めておきましょう。
いずれにせよハンドヘルドの様なルックスを持つ電子手帳でした。
便利な機能については後日に追記致します。
【文章:銀牙】(2009年5月16日)
古い記憶なので詳細は失念しましたが、私は90年代前半に小型で携帯可能な端末を求めていました。
そして、ほぼ毎日秋葉原に立ち寄り、相棒とするノートパソコンを検討していたのでした。
中央通りに車を停めているので(笑)毎日1〜2店舗づつ見て回る時間との勝負です。
もちろん、当時の自宅がPC-9801RA21だった事から当初はEPSONの国民機がターゲットで、電子手帳は全く視野に入れていませんでした。
日本で一般的にメジャーな電子手帳と言えば、ポケコン同様にSHARPかCASIOでした。
他社もありましたが特にSHARPが売れていて、その形状は手帳型な上、中央にAIUEOと母音が並んでいると言った超変則的キーレイアウトを採用していました。
それで私はすべての電子手帳ってこんなモノかと信じ込み、電子手帳などパソコンを触れぬ人間が使う程度のモノだと、完全に馬鹿にして適当に眺めている事が殆どでした。
そんなある日、確か秋葉原の中央通り沿いにある、大型電気店の結構上の階で何気に電子手帳を眺めて「ハッ」としたのです。
パソコンライクなスタイルの電子手帳がある事を知らなかったのです。
それがこのDK-E800でした。
もちろん、それ以前にもこの様なスタイルの電子手帳は存在していましたが、私がちゃんと見てなかったのですね。
ショーウィンドウにASCII配列のキーボードと50音が順序良く並んだタイプが置いてあったと思います。
正直に言えば、使い易そうなASCIIタイプはともかく、使いづらそうなどうでも良かった商品のキー配列は覚えていません(笑)
当時、ノートパソコンはまだまだ大きく、携帯可能なモバイルの代表が電子手帳でした。
定価は45,000円程度で、店頭価格が39,800円じゃなかったかなぁ。
これがまぁ、ステキに大きいんです。
PSIONより少し小さい大きさ
大半の人は電子手帳なら小さい程良いと思われるんでしょうけど、私は適度にタイピング出来るサイズと考えていました。
そして何よりもHC-20やFP-200より液晶が広い。
なんだサラリーマンのオモチャ(まだ馬鹿にしていた)も随分と進化したもんだな、と思いました(笑)
その日はそれだけで本来の目的である、ノートパソコンを物色する為にその場を立ち去ったのです。
それからです。
数日置きにその店のショーウィンドウを覗く様になったのは(笑)
頭の中で活用方法を考えます。
これは、購入する為の理由を探している姿と言えるでしょう。
早い話が近い将来買うんだなぁと気付きながら。
そしてついに購入。
関数電卓のICカードも買ったと思います。
これは現在何処にあるのか不明。
で、実際使ってみるとやっぱり機能が限られているのがちょっと苦しかったです。
しかし、今思えばPCとのリンクケーブル(※)を購入しておくべきだったと後悔しています。
メモ帳なんかを転送出来れば、現在でも活用していると思います。
と、言うかテキスト書きなら今でもメインにしているかもしれませんね。
電池が持ちますから出先での執筆活動も十分可能。
でも、使い方すっかり忘れています(笑)
マニュアルは実家かな。
※注:この機種用のリンクケーブルは無かった様で、記憶違いでした。やっぱりありました(笑)
【文章:銀牙】(2010年8月25日)
では、ここで本機の問題点を挙げてみます。
今更挙げても購入を検討される方が居るとは思えないのですが(笑)
先ず、全体の表面処理です。
下の写真を見て下さい。
キズだらけの外装
現在でもキーボード面等は大変良好な本機ですが、外装はご覧の通りキズだらけです。
これは表面をゴム状の素材でコーティングしている為です。
ご存じの方は多いと思いますが、ゴムは経時変化により次第に粘性を増して溶ける傾向にあります。
粘性を増したゴムは傷つき易く、爪でも立てれば一瞬で剥離してしまい、本機に限らずこの手のゴムを纏う機器の多くは、この様な状態に陥っています。
他の部分が綺麗なだけに少々残念でなりません。
コーティングそのものを完全に剥がして塗装するか磨き上げてしまうか検討中です。
って言いますか、致命的なのは郵便番号が7桁時代の機械である事です。
10年ぶりに呼び覚まされた住所録は、すっかり浦島太郎よろしくタイムカプセルとなっておりました(笑)
なぁに、メモの部分に郵便番号を入れれば対応できます!<使うつもりか?
SUPER MEMORY-COMPUTERである事。
データがしっかり生き続けますから、うっかり何処かに売り飛ばそうものならば、個人情報流出間違い無し!
一旦本機のメモリを消去した上でバックアップに空の情報を転送しなければ、個人情報は永遠に生き続けます。
変な目的で中古購入しないでね(笑)
【文章:銀牙】(2009年8月25日)
1993年発売
| CPU | 不明 |
| ROMBASIC | あり |
| RAM | 128KB |
| VIDEO | - |
| 表示 | 239x80(LCD2色) |
| 音源 | 単音 |
| FDD | なし |
| HDD | なし |
| 定価 | 45,000円 |